第5回:AIを人だと思って、話しかけてみる – AIを味方につける 自分らしい働き方

シリーズ『AIを味方につける 自分らしい働き方』第5回

少し間が空いてしまいました。年明けから数ヶ月、このシリーズをいったん休んでいました。春になって、また一緒に歩き始めようと思います。

これまで、「自分らしさ」と「目指すところ」がはっきりしていれば、AIは強力な味方になる、というお話をしました。今回からは、実際にAIとどう向き合うか、という話に入っていきます。


新幹線の中で、画面を二度見した

以前、移動中にAIに話しかけた時のことです。

ずっと考えていたことがありました。状況を説明して、自分なりの仮説を伝えてみたところ、思わぬ返答が返ってきました。思わず、画面を二度見しました。

——もしかして、向こう側に、人がいるんじゃないか…

そう感じた瞬間でした。

単に答えを返してくれただけではありません。こちらの文脈を深く理解した上で、予想を超えた角度から応えてきた。「処理している」というより、「わかっている」という感覚がありました。

それ以来、私のAIとの向き合い方が変わりました。


命令ではなく、相談する

あなたは、AIにどう話しかけていますか?

多くの方が最初、キーワードで何とかしようとします。「○○ 方法」「△△ とは」。検索エンジンと同じような使い方です。それは自然なことです。私たちは長年、そうやって情報を探してきた。

でも、AIは検索エンジンではありません。

キーワードではなく、状況と自分の考えを「話す」。その違いだけで、返ってくるものが全く変わります。命令するのではなく、相談する。 その瞬間から、AIはただのツールではなくなります。

キーワードではなく、状況と自分の考えを「話す」。その違いだけで、返ってくるものが全く変わります。命令するのではなく、相談する。 その瞬間から、AIはただのツールではなくなります。


3人いる、という安心感

AIと仕事を日々進めるようになって気づいたのは、「3人いるみたいな状態」という感覚です。

自分で考えて決める。その横に拡張脳のような相棒として、一緒に考えてくれるAIがいる。そして、専門的な知識が必要なとき、ツールとして頼れるAIがいる。

つまり、自分側を補助してくれるAIと、ツール側で補助してくれるAI。この2種類がいることで、ひとりでは行き詰まっていた場面が動き始めます。

ひとりで判断することに不安を感じていた場面でも、この構図があると不思議と前に進めます。相棒に相談しながら、専門家に確認しながら、自分が最後に決める。その流れができると、判断の質も速さも変わってきます。

どのAIを使うかより、こういう構図を自分なりに作れるかどうかが、上手な使い方への近道かもしれません。複数のAIを使い分けながら、人間が入ってもいい。全部AIでなくても構わない。

大事なのは、「自分が今、何をしていて、何をAIに委ねているのか」が見えていること。それだけです。


完璧に使いこなさなくていい

「AIをうまく使えない自分が悪いのかな」と感じたことはありませんか。

そんな必要はまったくありません。

道具として完璧に習熟しなくていい。全部の機能を把握しなくていい。自分が今、何を相談していて、何を任せているか。それだけわかっていれば、十分前に進めます。

まずは一度、キーワードではなく、言葉で話しかけてみてください。

「最近こんなことで悩んでいて、自分ではこう思っているんだけど……」

その瞬間から、AIはあなたの相談相手になります。


おわりに

話しかけ方を変えると、AIは別の顔を見せてくれます。

そして、相談しながら動いていくうちに、「自分が何に時間を使っていて、何をAIに委ねているか」が少しずつ見えてきます。それが、自分らしい働き方の地図になっていく。

次回は、その先の話をしようと思います。AIに相談し始めると、「あれ、これもできるかも」という発見が出てきます。長い間、時間がなくてできなかったこと、面倒で後回しにしてきたこと。そういうものが、少しずつ動き始める。

一緒に、そこまで歩いてみましょう。

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