第3話 “あとでまとめる”が生む二度手間──共同編集でなくす新しい働き方

■ はじめに:「まとめ直す仕事」が多すぎる現場

日々の仕事の中で、こんな場面に心当たりはありませんか?

  • 会議中に誰かが紙にメモ → 後で清書してメール配信
  • 複数人で作った資料 → 一人が集めて整えてファイル共有
  • 「最新版はどこ?」と何度も聞かれる → そのたびに探してリンクを貼る

“あとでまとめる”職場文化が、
知らぬ間に残業を増やしていませんか?

こうした「あとでまとめる」「あとで整理する」仕事は、
一見すると丁寧な作業のようでいて、
実は膨大な二度手間・三度手間
を生んでいます。


■ 紙にメモ → 転記。この構造が“アナログすぎる”

特に強く感じているのは、「紙のメモ文化」です。

  • 会議でメモを取る → 写真を撮れば済む内容だった
  • 後で要点を打ち直す → そもそもその場でTeamsに書けば済んだ
  • 情報を集約する人が疲弊する → 分散していた情報を再構成しているから

本来は、その場でデジタルに残せば一度で済む作業が、
“紙を経由するだけで”無駄な工数が増えています。


■ Teams × OneNote/Loop/Formsを使えば、“同時に書く”が当たり前になる

Microsoft 365では、こうした“後でまとめる”作業を根本からなくせる仕組みが整っています。

  • 会議メモはLoopでスレッドに直接書き込む
  • アクションアイテムはPlanner/Loopタスクで共有してそのまま更新
  • アンケートや確認事項はFormsを使って可視化
画像はMicrosoft社提供の共同編集のサンプルデータです

これらをTeamsのチーム投稿や会議スレッドにそのまま貼るだけで、
チーム全体の共通認識と作業の進捗が、ひと目で把握できます。


■ 共同編集で「最新がどこか分からない問題」も解決できる

よくあるストレスがこれです。

「最新のファイル、どこですか?」
「古いやつを上書きしてしまいました…」
「3人で修正してたら、誰のが正か分からない」

これは、ファイルを個別に送る・コピーして保存するというやり方が前提にあるからです。

でも、OneDriveやTeamsの共有リンクをベースにした共同編集なら、
常に「ひとつの場所に、ひとつの最新版」があり続けます。便利じゃないですか?


■ ただし、“ルールがない”と共同編集は逆に混乱を生む

便利な共同編集ですが、トラブルも少なくありません。

  • 上書きして消された
  • 意図しない修正が加わっていた
  • 急にレイアウトが変わっていた

これはツールのせいではなく、チームの中に
“共通の運用ルール”がないことが原因です

これはツールのせいではなく、チームの中に“共通の運用ルール”がないことが原因です。

  • 「変更前に色を変える」
  • 「上書きしないでコメントで指摘する」
  • 「責任者がチェックして完了にする」

など、“チームでファイルを育てる”意識とルールが必要です。


■ 「ロックしておく」文化は、もう限界

ときどき見かけるのが、「編集されると困るからロックしておく」という運用。

確かに安全ですが、それではコラボレーションが起きません。

  • 修正したくてもできない
  • 戻してほしいと言われても、履歴がない
  • 結局、誰かの手元で作業し直す → また二度手間

本当に安全で、効果的な運用とは、「全員で使える」前提でチームを整えることなのです。


■ まとめ:ツールは進化した。次は“使いこなせるチーム”をつくること

“後でまとめる”をなくすには、ツールだけでは足りません。
必要なのは、共通認識とチームとしての約束ごとです。

  • 会議の記録はどこに残すか?
  • 修正は誰が、どういうルールで行うか?
  • 情報はいつ・誰に向けて出すのか?

こうしたローカルルール(職場の運用ルール)があることで、初めて「チームで共同編集する」という形が成立します。

次回は“職場に潜む文化的な壁”──特に成果主義に偏りがちなオレンジ職場について掘り下げます。色分けの詳細はこちらの記事でも紹介しています → 職場の色分けとは?


🗳️ あなたの職場ではどうですか?

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Q:あなたの職場では、会議メモの清書や資料の最新版探しなど、 “まとめ直す二度手間” はどのくらい発生していますか?

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