あなたの職場、何色ですか? ― DXが進む・進まないの“理由”を可視化するフレームワーク
ある部署では、Microsoft 365の活用が進み、生成AIも業務に取り入れられている。
一方で、別の部署では「Teamsってどこまで使っていいんだっけ?」という会話がまだある。
同じ会社なのに、なぜこんなに差があるのか。
それは「人の問題」ではなく、“職場の文化”の違いかもしれません。
この違いを可視化し、DXの進め方を職場ごとに見直すためのヒントが、
“組織の色分け”という考え方にあります。
職場の文化は“5つの色”で表現できる
もとになっているのは、フレデリック・ラルー氏が著書『ティール組織』で示した、組織の進化を5色(レッド/アンバー/オレンジ/グリーン/ティール)で捉えるフレームワークです。
サワモト式は、この5色をベースにしながら、ラルー氏の原著にはない視点を加えています。それは、同じ会社のなかでも職場単位で色が違うこと、そして、色によって「上下関係のあり方」「人と人の結びつき方」が機能的に異なること。組織全体に1つの色を当てはめるのではなく、職場ごとの空気と関係性を見るためのレンズとして再構成しました。
もうひとつ大切な違いがあります。サワモト式では、5色を進化の優劣として捉えません。どの色が良い・悪いではなく、その職場の文脈に合っているかどうか。色は文脈適応のためのツールです。

| 色 | 特徴(シンプルな説明) |
|---|---|
| レッド | トップのカリスマ性・即応重視の危機対応型 |
| アンバー | 階層や手順を守る秩序型。ルールと年功が基本 |
| オレンジ | 成果主義・KPI重視の競争型。合理性と効率を優先 |
| グリーン | チームワーク・対話重視の協調型。心理的安全性が高い職場 |
| ティール | 自己組織化と共通ビジョンによる進化型。リーダーが固定されない |
どの色が“正しい”わけではありません。
大切なのは、「自分たちの職場は今どこにいるのか?」を知ることです。
DXがうまくいくかは、“空気”と“言葉”にかかっている
DXの定着には、ツールの導入だけではなく、
「なぜやるのか」「どう進めるか」を話し合える状態が必要です。
ですが職場にはそれぞれ、
- 誰が意思決定をするか
- 情報共有のされ方
- 新しいものへの反応の仕方
といった「空気」が存在しています。
それを可視化せずに「全社一律で進めよう」とすると、
うまくいく部署と、そうでない部署の差が広がります。
色分けが“対話の起点”になる理由
「うちはブラック企業だから…」
そう語られていた現場も、この色分けがあると
「うちはアンバー寄りかも」「グリーンなんだけど少し崩れてるかも」と、
冷静に“自分たちの状態”を言葉にできるようになります。
たとえば:
- アンバーの職場では、手順やマニュアルが整っていれば安心して動ける
- グリーンの職場では、自律的に考えられる反面、リーダー不在になりやすい
- ティールに見えても、実はオレンジ的成果主義と混在しているケースもある
サワモト式では、この色分けを“判断軸”ではなく、“共通言語”として使っています。
一つの組織に、複数の色が存在していていい
職場文化は均一ではありません。
たとえば病院であれば:
- 救命対応:ティール(自己判断と協力)
- ナースステーション:グリーン(チームワーク重視)
- 会計窓口:アンバー(手順と正確さ)
このように、業務内容や関係性によって“色”が違うのは自然なことです。
重要なのは、無理に揃えようとするのではなく、
お互いの優先順位や価値観を言葉にして、共存できること。
DXの進め方も、“色”に応じて変える
- アンバーな職場には、明確なルールとマニュアル化
- オレンジには、成果や効率を“見える化”
- グリーンには、対話と納得を軸にした合意形成
- ティールには、個人の動機づけやビジョン共有
DXは、「全社統一の進め方」で成功するとは限りません。
“それぞれの職場に合った進め方”を選べることが、定着の鍵になります。
職場には、職場の“DXの形”がある
サワモト式の色分けは、
自分たちの職場を語るためのツールであり、
進め方を調整するための指標です。
「私たちは今、グリーン寄りだけど、オレンジ的視点も必要かもしれない」
そんな会話ができるだけで、進め方が変わってきます。
まとめ:職場の文化を、可視化して共に進む
DXは、単に“変革する”ことではありません。
今ある価値観を尊重しながら、それぞれの場所で最善の一歩を見つけていくプロセスです。
そのために、この“職場の色分け”というフレームワークが、
少しでも対話と理解のきっかけになれば幸いです。
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