
「ツールを入れたのに、なぜ変われないのか」
「導入したのに、なぜ変われないのだろう」
新しいツールを入れた。研修も受けた。マニュアルも配った。 でも気づけば、やり方は元に戻っている。
もし、そんな経験に心当たりがあるなら── それは誰かの怠慢ではなく、見落とされてきた「問い」があるからかもしれません。
なぜ「変われない状態」は起きるのか
新しいツールがうまく定着しないとき、私たちはつい原因を探します。 「IT部門がちゃんと説明しなかったから」「外注先が設定しただけだったから」「現場が忙しくて時間がなかったから」。
でも、それは本当に”原因”でしょうか。
むしろ問題は、誰も悪くないのに、うまくいかないという構造そのものにあるのではないか。 その可能性を、少しだけ考えてみてほしいのです。

「使い方は誰かが決めてくれる」という前提が、
崩れ始めている
かつてのITシステムは、導入する側が業務に合わせて設計し、作り込んでいくものでした。 使う側は、用意されたものを受け取り、決められた通りに操作すればよかった。
しかし今、クラウドやAIを前提としたツールは、その構造が大きく変わっています。
「使い方は、使う側が考える」ことを前提に設計されているツールが増えているのです。
設定を外注することはできても、”どう使うか”の発想までは外注できない。 この変化に気づかないまま導入を進めると、ツールは「入っているけど使われない」状態のまま停滞してしまいます。
使い方を考える人が、いない
では、誰がその「使い方」を考えるのか。
IT部門は、設定や運用管理で手一杯かもしれません。 外注先は、技術には詳しくても、現場の業務までは踏み込めない。 現場は「これどう使えばいいの?」と思いながら、答えてくれる人を待っている。
──こうして、「使い方を考える担い手」が不在のまま、ツールだけが導入されていく。
たとえば、コラボレーション基盤のアプリを導入した多くの職場で、こうした状況が起きています。
- チャット・会議アプリのグループが作られたものの、何を投稿すればいいかわからず、結局メールに戻ってしまう
- 情報共有サービスにファイルを置いたけれど、従来のファイルサーバとの使い分けが曖昧なまま
- タスク管理ツールを入れたのに、結局Excelで進捗管理を続けている
これは特定のツールだけの話ではありません。
SaaSツール全般、そしてこれから広がるAI活用においても、同じ構造が繰り返される可能性があります。

ツールは「導入されたとき」ではなく、
「使い方が見つかったとき」に根づく
この状況を変えるために必要なのは、より高機能なツールでも、より詳しいマニュアルでもありません。
「自分たちの職場では、どう使えばいいのか」という問いを、現場で一緒に考える時間と対話。 そして、試行錯誤を肯定し、小さな発見を積み重ねていく姿勢です。
ツールは、設定された瞬間に定着するわけではない。 使う人が「これはこう使えばいいのか」と気づいたとき、はじめて職場の道具になっていきます。
その過程を支えることが、私たちの考える「定着化支援」です。
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ツールと向き合い、働き方を見つめ直すこと。 それは単なる効率化の話ではなく、職場という場所をどうつくるかという問いにもつながっていきます。
SawaLeafでは、ツール × プロセス × 文化 という3つの視点から、定着と変化を考える「サワモト式」というフレームワークを用意しています。