第1回:いま、あなたのキャリアは「棚卸し期間」に入っている – AIを味方につける 自分らしい働き方

新シリーズ『AIを味方につける 自分らしい働き方』

AIの進化、組織の変化、人生100年時代——。働く環境が大きく変わる中で、「これからどう働けばいいのか」と感じている方へ。このシリーズでは、全8回を通じて、焦らず自分軸を見つけ、AIを味方につけた新しい働き方を一緒に考えていきます。


毎日流れてくるAIのニュース

ChatGPT、Copilot、Claude、Gemini——。

ここ数年、AIに関するニュースが止まりません。「○○の仕事がなくなる」「△△業界が激変する」。そんな見出しを目にするたびに、どこか落ち着かない気持ちになる方も多いのではないでしょうか。

一方で、自分の職場を見渡すと、DXは思うように進んでいない。新しいツールを導入しても、結局は従来のやり方に戻ってしまう。世の中が変わっているのはわかる。でも、自分の足元は変わらない。 その「ズレ」が、静かな焦りになっている。

私自身、長く企業の中で働いてきました。忙しさに追われる日々の中で、自分のキャリアを振り返る余裕なんてありませんでした。目の前の仕事をこなし、組織の期待に応え、気づけば何十年。

でも最近、こう思うようになりました。

もしかしたら今この瞬間こそが、自分のキャリアを見つめ直す「棚卸し期間」 なのかもしれない、と。


なぜ今が「棚卸し期間」なのか

私たちを取り巻く環境には、3つの大きな変化が起きています。

1つ目は、AIの台頭です。

これまで「人間にしかできない」と思われていた作業が、次々と自動化されています。文章を書く、資料をまとめる、データを分析する。かつては何時間もかかっていた仕事が、数分で終わる時代になりました。

2つ目は、組織構造の変化です。

役職やポストの意味が揺らいでいます。かつては「部長」「課長」という肩書きが、そのままキャリアの価値を示していました。しかし今、組織はフラット化し、役職の数も減っています。肩書きに頼れない時代が来ています。

3つ目は、働く時間軸の広がりです。

「人生100年時代」という言葉が当たり前になりました。65歳、70歳まで働くことはもはや珍しくありません。でも、それは「働かされる」という話ではないはずです。

75歳を過ぎても、何かしらの形で社会とつながっていたい。誰かの役に立っている実感を持ちたい。そう思いませんか?

そう考えたとき、「あと何年」ではなく「あと何十年」という時間が見えてきます。その長い時間を、どんな自分で過ごしたいのか。今から考えておく価値があります。

これら3つの変化が重なったとき、これまでの延長線上で働き続けることには限界があります。だからこそ、一度立ち止まって「棚卸し」をする必要があるのです。


会社中心の働き方の限界

私たちの世代は、会社という組織の中で評価されてきました。

かつては、会社が「目指すべき姿」を見せてくれていました。出世コース、理想の上司像、「こうなれば成功」というお手本。それを追いかけていれば、キャリアは自然と形になった。

でも今、そのお手本自体が揺らいでいます。

社内の調整役として走り回ってきた。部下の育成に時間を使ってきた。トラブルが起きれば最前線に立ち、協力会社との関係も自分が築いてきた。

専門分野を深掘りするというより、組織が必要とすることを何でもやってきた。そういう働き方をしてきた方も多いのではないでしょうか。

それは確かに価値のある働き方です。

しかし、その価値は 「会社という文脈」の中で発揮されるもの でした。組織を離れたとき、その力はどこまで通用するのか。役職がなくなったとき、自分には何が残るのか。

これは決してネガティブな問いではありません。

むしろ、この問いに向き合うことでしか見えてこないものがあります。組織の中で培ってきた経験の中に、実は 「自分だけの強み」が眠っている。それを掘り起こすのが、棚卸しという作業です。


AI時代に求められる「自分軸」

AI時代に必要なのは、新しいスキルを身につけることだけではありません。

むしろ大切なのは、「自分は何を大事にしているのか」「どんな働き方をしたいのか」という 軸を持つこと です。

組織の価値観に合わせるのではなく、自分の価値観で選ぶ。 「何ができるか」だけでなく、「何をしたいか」を問う。

大切なのは、「自分は何を大事にしているのか」
「どんな働き方をしたいのか」という 軸を持つこと です。

組織の価値観に合わせるのではなく、自分の価値観で選ぶ。
「何ができるか」だけでなく、「何をしたいか」を問う。

これは、わがままでも逃げでもありません。これからの何十年を見据えたとき、自分軸を持つことは、最も現実的な戦略 なのです。

AIは、私たちの苦手な作業を肩代わりしてくれます。だからこそ、「自分は何に時間を使いたいのか」を決められる人が強くなる。その判断の基準となるのが、自分軸です。

今すぐ答えを出す必要はありません。

まずは静かに立ち止まること。 それが、次の一歩への準備になります。


おわりに

ここから始まるのは、「新しい働き方」への旅 です。

焦る必要はありません。世の中がどれだけ急いでいても、自分のペースで考えていい。大切なのは、自分自身を見つめ直す時間を持つことです。

このシリーズでは、「気づく → 整える → 活かす → 選ぶ」の流れで、全8回にわたってお届けしていきます。

次回は、「AI時代に残る”人間の価値”とは何か」に踏み込みます。

AIにできること、できないこと。そして、私たち人間だからこそ持てる「コアバリュー」について、一緒に考えていきましょう。

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