|

第2回:「生活の中で問いを立ててみよう」-AIと向き合う、新しい習慣

はじめに:最初の一歩は「普段の生活」がいい

AIの活用というと、どうしても「ビジネス活用」や「業務効率化」から考えがちです。たしかに、会議の議事録の自動化や資料作成の効率化など、仕事に直結する便利さは魅力的です。

でも、もしあなたがまだAIに慣れていないなら、最初の一歩は“普段の生活の中で使ってみる”ことをおすすめします。

実は、生活の中のほうが情報も選択肢も多く、正解もひとつじゃない。たとえば「何を食べたいか」や「どこに出かけるか」といった問いには、答えはひとつじゃないですよね。

だからこそ、「こうじゃないとダメ」というプレッシャーがなく、応用力高く自由に付き合えるのです。

※このシリーズは、ChatGPTに限らず、CopilotやGemini(旧Bard)、Claudeなど他の生成AIにも共通する考え方を扱っています。特定のツールに依存せず、生成AIとの関係性そのものに焦点を当てた視点としてご活用ください。


たとえば、こんなふうに相談してみる

「え、生活って具体的に何を相談すればいいの?」と感じた方へ。

以下は、実際に私や周囲の人がAIに相談している例です。

  1. 料理の相談
    • 「冷蔵庫にナスとひき肉があるんだけど、晩ごはん何作れそう?どんな味付けあるかな?」
    • 「夕食はあっさりした和風がいいな。あと、奥さんが辛いの苦手だから」
  2. 旅行の相談
    • 「週末、軽井沢方面で人混みを避けつつ楽しめるスポットを教えて」
    • 「犬も一緒に行ける場所がいいな」
  3. 買い物の比較
    • 「仕事でストレスなく使える軽量ノートPC、最近話題のおすすめなモデル教えて?」
  4. 生活のちょっとした疑問
    • 「コールラビってどういう野菜?食べ方教えて?」
    • 「今の季節に植えて御代田で育てやすい花って何?」

これらはすべて”正解がひとつではない”問いです。だからこそ、AIの返答をきっかけに発想を広げたり、調べ物の入口にしたりするのに向いています。

そして実はいま、AIに関わる多くの専門家が強調しているのも、この「問いを立てる力」です。どんなに優れたAIでも、投げかけられた問いの質を超えて答えることはできません。だからこそ「何を聞くか」「どこまで深めるか」を自分で考えることが、AIを使いこなす第一歩になるのです。

AIに関わる多くの専門家が強調しているのも、この「問いを立てる力」です


会話の中で、「自分の本音」が見えてくる

続いて、AIとのやりとりで意外と多いのが、「最初は雑談のつもりだったのに、だんだん本質的な話になっていた」というパターンです。

たとえば、こんなやりとり。

あなた:
「最近の若手、特にZ世代って言われる彼らに、どう接していいのか分からないんです」

AI:
「どんな場面でそう感じますか?」

あなた:
「仕事を任せても“やってみます”と元気よく返事はするんですが、いざ始めると動きが止まってしまって…」

AI:
「返事は前向きでも、進め方に不安を感じているのかもしれませんね。具体的にどう止まるんですか?」

あなた:
「自分から質問してくれないんです。昔なら“どうやればいいですか?”ってすぐ聞いてきたのに」

AI:
「なるほど。『任されたからには自分で答えを出さなきゃ』と思っている可能性がありますね。そういうとき、こちらから『途中で声をかけてもいいよ』と伝えてみるのはどうでしょう?」

──話しているうちに、「質問しないのは怠けてるのではなく、考え方の違いかもしれない」と気づく。これがまさに、“正解を教える相手”ではなく“考えを整理する相手”としてAIが役立つ場面です。


「答え」よりも、「気づきを育てる」

AIとの会話は、サーチエンジンを使った検索のように一発で「正解を出してくれるもの」とは少し違います。
むしろ、問いかけや対話を通じてこちらの思考を整理し、隠れていた視点を浮かび上がらせてくれる存在です。

だからこそ、世代のギャップや人間関係の悩みなど、“正解がないテーマ”ほどAIに相談する価値があるのです。

“正解がないテーマ”ほどAIに
相談する価値があるのです


曖昧なまま相談してもいい

AIは、はっきりした質問だけでなく、モヤモヤした気持ちを投げかけるのにも向いています。

  • 「なんか最近、仕事のやる気が出ないんだよね」
  • 「人前でうまく話せない気がして」
  • 「この企画、モヤモヤするんだけど、何か違和感がある…」

こうした曖昧なつぶやきからでも、AIは会話を広げてくれます。
正解を求めなくても、一緒に考えることで気づきが深まっていく——それがAIとの対話の醍醐味です。


だから、「話しながら考える」練習になる

AIに話すという行為は、実は“対話を通じて自分の考えを深める練習”でもあります。

  • 愚痴から始まったはずが、自分の理想像に気づいた
  • 不安を口にしたことで、何を恐れていたかが整理された
  • 曖昧なモヤモヤが、明確な問いに変わった

こうした「話しながら深まっていく体験」を重ねていくと、AIはただの道具ではなく「対話の習慣」を支える存在になります。


AIとの“生活習慣”を育てよう

最初は気まぐれでもいいんです。

  • たとえば、「朝礼でひとこと話すことになったんだけど、簡単にアイデア出して」相談してみたり
  • 献立に迷ったときに「明日の弁当、簡単で見栄えのするおかずを考えて」と頼んでみる。

そんな小さなやりとりの積み重ねが、「AIと過ごす日常」を自然なものにしていきます。

小さなやりとりの積み重ねが、「AIと
過ごす日常」を自然なものにしていきます

実際、AIは投げかけられた問いの質を超えて答えることはできません。
だからこそ大事なのは、「自分は何を知りたいのか?」「どこまで深めたいのか?」を意識して問いを立てることです。
その習慣こそが、AIをただの道具ではなく“考える相棒”に変えていきます。

どうでしょう、ここまで読んでみて、あなたの中でも「こんな問いを投げてみようかな」というイメージが少し浮かんできましたか?


次回予告:「プロンプト力」より「関係性」

「どう書けばAIが正確に理解してくれるか?」と考えるより、
「どう話せば、自分の思考が整理されるか?」という視点でAIに接してみませんか?

次回は、AIとのやりとりで大切な「Goal」「Context」「Expectation」「Source」の4要素について、具体例とともに紹介します。

URLをコピーしました