第4回:自分らしさを、取り戻す – AIを味方につける 自分らしい働き方
シリーズ『AIを味方につける 自分らしい働き方』第4回
前回、「心が動いた瞬間」を振り返ってもらいました。あなたの中に、すでに価値パターンがあること。それは突然ひらめくものではなく、過去の経験の中に眠っていること。
今回は、もう一歩踏み込んで、「自分らしさ」について考えてみたいと思います。
あなたの働き方は、誰が決めたものですか
長く会社で働いていると、知らないうちに「職場のやり方」が「自分のやり方」になっていることがあります。
会議の進め方や報告のタイミング、上司との距離感とか、「できる人」の定義など。
それが「正解」だと思っていたこと。というより、疑うことすらなかった。
でも、環境が変わると、あれは「会社の正解」だったと気づくことがあります。
優先順位が、入れ替わっていた
私自身、会社を離れてから気づいたことがあります。
カスタマーサクセスの部署ができて、その仕事を始めた頃。あの頃は「お客さんに製品の良さを理解してもらえること」が、何より大事でした。
でも、いつの間にか、優先順位が変わっていた。目標達成が前面に出て、本来大事にしていたことが奥に引っ込んでいた。
会社を離れてみて、ようやくそれに気づきました。
なくなっていたわけではない。ただ、優先順位が入れ替わっていただけだった。
悪いことがあったわけではありません。環境の中で、自然とそうなっていた。だからこそ、気づきにくいのだと思います。
あなたの場合は、いかがでしょうか。
最初に大事にしていたことと、今の優先順位。同じでしょうか、それとも、いつの間にか入れ替わっていたでしょうか。
自分らしさとは何か
ここで言う「自分らしさ」は、性格や才能の話ではありません。
仕事をするときの、判断や選び方のクセのことです。
- どんな仕事を「引き受けたい」と思うか
- どこで「これは違う」とブレーキがかかるか
- 何を優先して、何を後回しにするか
- どんな進め方だと調子がいいか
第2回で思い出した「最初のなぜ」、第3回で見つけた「心が動いた瞬間」。その中に、あなたの判断や選び方のクセが見えてくるはずです。
そして、もう一つ大事なのが、「自分の目指すところ」です。
自分らしさは「今の自分」の輪郭。目指すところは「未来の方向」。この二つがセットになって、初めて軸になります。
AI時代に、なぜそれが必要なのか
AIは道具です。指示をすれば動く。
でも、「何を指示するか」を決めるのは自分です。「どう使うか」を選ぶのも自分。
自分らしさや目指すところがはっきりしていないまま、AIを使いこなせるでしょうか。
「AIでこんなことができる」「あれもできる」。情報は溢れています。でも、軸がないまま道具を持っても、どこに向かえばいいか分からない。
逆に、自分らしさや目指すところがはっきりしていれば、AIは強力な味方になります。
自分が大事にしたいことに集中して、それ以外はAIに任せる。そういう使い分けができるようになる。

「AIでこんなことができる」「あれもできる」。情報は溢れています。でも、軸がないまま道具を持っても、どこに向かえばいいか分からない。
逆に、自分らしさや目指すところがはっきりしていれば、AIは強力な味方になります。
取り戻す、という感覚
「自分らしさ」は、これから新しく作るものではないと思います。
取り戻す、という感覚に近いかもしれません。
職場の優先順位に染まる前、あなたには「こう働きたい」という感覚があったはずです。最初にこの仕事を選んだ理由。心が動いた瞬間。その中に、本来のあなたらしさがある。
埋もれているだけで、なくなったわけではない。
おわりに
長く働く中で、職場の正解を「自分の正解」と思い込んでいた部分があるかもしれません。
でも、これからの25年、AIがさらに進化した世界を、私たちは生きていきます。そのとき頼りになるのは、自分らしさと、自分の目指すところ。
ここまでの4回で、「気づく」「整える」の準備が整いました。
次回からは、いよいよ「AIという道具をどう使うか」に進みます。
もし今、「自分が大切にしたいこと」がまだ言葉になっていないなら、ここまでの4回を読み返してみてください。 焦る必要はありません。自分のペースで、ゆっくり進んでいきましょう。
準備ができたら、一緒に考えてみませんか。